お知らせp>
#お知らせ
アフリカ進出:ジンバブエで水難訓練を含む水泳教室を実施
「世界に水難訓練を広めたい」という思いで活動しているパワーストローク。2023年3月、アフリカ・ジンバブエにある小中高一貫校に招かれ、600人の生徒を対象に1週間の水難訓練を含む水泳教室が実現しました。
ジンバブエプロジェクトの背景
南アフリカとの国境沿いにあるジンバブエの街、ベイトブリッジにあるオークレイ・ハウス・トラスト・スクールは、幼稚園から高校までの学生を受け入れている学校です。寮も完備しており、様々な理由で学校に通うことが難しい子どもたちのハードルを下げるために、創設者のスカテーレ・ムサクワさんは日々奮闘しています。地元からも強い信頼を得ているムサクワさんは、それに留まらず国連女性機関から賞を受賞するなど、世界からもその活動が認められています。
彼女とパワーストロークの出会いは2022年11月。スペイン・マドリードで行われたIWEC (International Women’s Entrepreneurial Challenge) の集いにて、同じ教育勉強会に参加した際に、隣に座ったムサクワさんと未来の世代の育成について情熱を共有したことがきっかけでした。
「子どもたちをただ学校に来させるだけではいけない。未来に対して希望を持たせなければならないのだ。」と彼女は強く語りかけてくれました。ジンバブエは1990年以降、立て続く経済政策の失敗と政治の腐敗により、深刻な貧困問題を抱えています。私たちが滞在していた間も、電気の普及が不安定で、電気が通るのは夜中から朝方にかけてまで。そんな中、子どもたちは学校に通う意味を見出せないばかりか、夢を持つことさえもが贅沢となってしまっているそうです。
それを危惧し、ムサクワさんはこれまで自身が設立したオークレイ・スクールで様々な取り組みを行ってきました。中でも、資源が限られる中作られた25mプールが、指導者不足で全く使われていないとのこと。
ジンバブエの子どもたちに、このプールを使って未来の可能性を見せてやってくれないか、と彼女に提案され、私たちはジンバブエに向かう決意をしました。
水泳教室の様子
日本からヨハネスブルグまで飛び、そこから車で約6時間程の距離にベイトブリッジはあります。オークレイ・スクールには3歳から16歳までの学生が約550人、教員が約30人在籍しています。今回の水泳教室は生徒全員に加えて、今後も水難訓練を続けられるように、教員にも指導者育成の教室を開講しました。
初日は陸でもできる水難訓練からはじめました。
教室を一つ一つ周り、入水における基本的な知識(息の止め方など)と水難時の知識(浮いて待てなど)を教えました。
子どもたちは皆興味津々で、とても真面目に授業に取り組んでくれました。
中でも、「ブクブクパ」の練習や、浮いて待ての姿勢の練習は、実際に体を動かして行うため、とても楽しい時間を過ごすことができました。
二日目以降は入水です。
時間に限りがあるため、全員がお顔つけをできるようになること、そして水に抵抗がない子どもたちは浮身がとれるようになることを目標に掲げ、学年事に朝6時から日没まで、1日10時間程授業を行いました。
指導者がいない環境ではプールに入ることが許されていないため、プールに入れることだけでワクワクしている子どもたち。指導している側も、改めて「水泳の楽しさ」を子どもたちに教えてもらえました。
ジンバブエには海もなく、近隣の川にはワニが大量にいるため川遊びも厳禁なのにもかかわらず、水を怖がる子はほとんどおらず、とてもスムーズに授業をすることができました。加えて、オークレイ・スクールの先生方が大変協力的で、無事、事故もなく授業を終えることができました。
南半球で季節が日本とは真逆のジンバブエ。お邪魔したのはちょうど秋ごろ。もうすぐ冬を迎える季節です。日中は30℃を軽々と超えるも、日が沈むと肌寒い。それなのにもかかわらず、子どもたちは自ら出るのを嫌がり、日が沈むギリギリの時間まで水遊びに勤しんでいました。
プールから出たがらないのは子どもたちだけでなく、先生方も同様でした。
「今回初めてプールに入る」というベテラン先生もいらっしゃる中、今後も水難訓練の授業が開講できるようにお教えしたところ、とても真剣に授業を聞いてくださり、一生懸命自ら練習してくださった先生方。なんと一週間の授業が終わった後も、自ら集まり自主練されているそうです。
子どもたちのみならず、先生方にも「できた!」の喜びの機会ができたこと、大変喜ばしく思います。週が終わる頃には殆どの生徒が浮身をマスターし、中には「水泳選手になりたい!」と言ってくれる子までいました。
現地での取り組みは地元のテレビ局からも取材を受け、パワーストロークはジンバブエの全国放送、ZBC (Zimbabwe Broadcasting Corporation)デビューも果たしました。
週の終わりに修了式を行い、Power Strokeから参加者全員に修了証書を授与しました。
ちゃんと一枚一枚修了証書を手渡すのは、子どもたちに一つ何かを成し遂げたのだと実感してもらうためです。
式典では、サプライズで現地では信用とリーダーの証である牛の冠をいただきました。感無量でした。